俺はタクランケ!X

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
そちらの地球のお天気はいかがですか?

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2018.05.31 Thursday

心の旅

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     人が不可能と思う時、やりたくないと決めているのだ(スピノザ)

     

     

     

     後輩の角福くんが帰って来た。

     角福くんはちょっと自分探しの旅に出ていた。

     

     旅立つ前(と知らずに話しかけたのだが)、彼が言っていたことを私は覚えている。

     私が「元気か?」と聴くと、

    「体は・・・」

    と小さく言ったのだ。

     

    (心は・・・!?)

     

     と私が思ったのもつかの間、間もなくして彼は旅に出た。

     

     

     

     そして、突然彼は帰って来た。彼は私のところにわざわざ挨拶に来てくれた。

     

     私は極めて気さくに、いつも通りに「お、久しぶり!」と声をかけた。「復帰してどうだい?」と聴くと、彼は苦しそうな声で

    「苦しいです」

    と言った。

     

     しかも、喉元に手をあてて・・・。

     

     

     まだ自分探ししきれてなかったか・・・。なにせ「元気か?」「体は・・・」の会話があっての「苦しいです」だ。心が疲れてしまったときは優しく見守るに限る。私も心を病みかけてしまったとき、故郷の景色、両親からの愛情、そして友情や絆にそっと見守られ、なんとか立ち直ることができた。私自身の経験則から行って、叱咤激励はかえって逆効果なのだ。

     

    「まぁ、久しぶりの外来だ。無理せずにゆっくり慣らしていけばいいよ。」

     

     私は優しく言った。

     

     

     

     ・・・すると、彼は言った。

    「は、白衣が・・・きつくって」

     

     

     彼曰く、復帰するにあたって、うっかり痩せていた頃の白衣を持ってきてしまったがために、パツパツで苦しいのだという。しかも、ケーシー型白衣だから、首が絞めつけられるような形になっていた。

    (※イメージ)

     なんだ、心配しすぎたか。よかったよかった。

     

     そうだな、角福君、もう大丈夫そうだ。

     

     

     

     「ボタンはずしなよ」と言っても、決してボタンを外さないところに、彼の決意を感じたような気がした。

     

     それでは、ばいちゃ☆

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