俺はタクランケ!X

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
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2017.06.30 Friday

ヤナギ、アメリカへ行く。

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     日本補綴学会に出席するために、今日は午前中で診療を切り上げて一路東京へ向かった。

     学会の会場は横浜だったが、例の如く東京在住の妹の部屋にあげてもらうことになっていた。雪大病院からキャリーバッグを引きずりながら快速に揺られて新千歳空港へ。空港ではこってりした味噌ラーメンが無性に食べたくなったので、白樺山荘へ。もう新千歳空港に来たら白樺山荘と、パブロフの犬のようにプログラミングされている感すらある。

     ただ、白樺山荘には珍しく(!)長蛇の列。犬も涙目。ということで、空いている(!)お店に入り、しっかりと北海道エネルギーをチャージした。

     飛行機ではもちろん眠りについたのだが、機内が暑苦しくて何度か目が覚めた。この暑さは東京が暑いという兆候だったのだろうか。昼食に塩分の高いものを食べたせいか、のども非常に乾いていた。お茶などは買っていなかった。私は寝惚けながら「間違った・・・」と思った。ラーメンを食べたこと?お茶をかわなかったこと?それは・・・どちらもだと思った。

     

     なんだかいつもよりも長く感じた札幌から東京への旅路。完全に蒸しあげられた状態で放り出された私はNAVITIMEを片手に、まずは妹の家を目指した。ただ、妹は大学があって(平日だから当たり前か!)、出迎えてくれる人は無し。独力でなんとか乗り継いで、目的地に到着。妹の部屋に入ると、私のためにアメニティーグッズとメモが置かれていた。

     妹の心配りに、お兄ちゃん感動。お返しというわけではないけれども、妹の机の上に、妹が好きな札幌農学校クッキーをそっと置いておいた。

     

     さて、今日は大切な用事があった。

     先日、Facebookを眺めていると、大親友のヤナギが渡米するといった内容の報告をアップしていた。会社が出費しての留学だという。私はすぐにヤナギにメールを送った。「6/30の夜は都合がつくかい?」するとヤナギも「その日なら大丈夫」とのことだった。なんという幸運。なんというタイミング。

     「ちょうど学会で東京に行くんだけど会えないだろうか?」

    話しはとんとん拍子で進んだ。

     荷物を置いて、少し一息ついてから、ヤナギに「東京なう」と連絡をした。札幌でいつも飲んでいた仲間のM下も東京で働いていたので声をかけて、三人で「どこに集まる?」「何時に集まる?」と連絡を取り合った。飲む当日になっても場所も時間も決まっていないのが、実に私達らしくて、それもまた楽しかった。

     

     結局、新宿に集合。まずはM下と合流して、ぶらぶらと街を歩き、適当にお店を決めた。M下が「ここがいい!」と選んだのが・・・。

    その名も、北海道。

     「えーっと、僕、そこから来たんですけど」と一応言ったものの、M下が「ああ、懐かしい、北海道!」と嬉しそうだったので、ここにした。

     

     後から残務整理に区切りをつけたヤナギが合流。馬の餞にマルセイバターサンドを手渡した。ヤナギが喜んでくれてよかった。

     例の如く、近況報告から始まり、やっぱり思い出話、そしてそれぞれの仕事の話しなど、時間はあっという間に過ぎていった。

     

     それにしても、アメリカ留学なんて、すごいなヤナギ。「ヤナギは頭よかったもんね、やっぱりすごい」とM下と私で言い合った。そうそう、私はゆっくりと高校生のときのことを思い出した。ヤナギが片手に携えていたのが夏目漱石全集だったのを見たとき!私はヤナギが漱石よろしく、いつか海外へ留学するんじゃないだろうかと思っていたのだ。嘘だけど。まさか、友人が海外へ行ってしまうとは、本当に寂しい限りだ。

     

     「ヤナギ君、気を付けたまえよ、アメリカは恐ろしい国だっていうぢゃないか。」

     私は愛読書の「主婦の友」で得た最新のアメリカ知識を持って、友人の身を案じた。

    というのはもちろん冗談だけど、彼の地へ旅立つ友人の身の安全に思いを馳せたというのは本当。でも、その一方で、ヤナギからのお土産話が今からもう楽しみだったりもする。ヤナギの視点から見たアメリカというものを、是非聞いてみたい。

     

     アメリカや、嗚呼アメリカや、アメリカや。

     

     アメリカか、いったいどんなところなんだろう。未踏の地に思いを馳せながらも、私たちはあまりにもいつも通りに杯を交わしたがために、私はまるで札幌で遊んでいるような錯覚に陥ってしまった。そして、あまりにもいつも通りに別れた。しかし、こうして旅立つ前の友人に会うことが出来、そして「がんばってこいよ!」と応援の気持ちを使えることが出来て本当によかった。

     

     帰り道で、ヤナギからメッセージが送られてきた。私とヤナギがどんなやり取りをしたのかは、二人だけの中で完結させておこう。ただ、今夜はそれぞれの人生の色合いというものを、肌で感じることができたような気がする。それぞれがまったく違う人生を歩んでおきながら、魂を共振させることができることが、この上なく不思議で、素敵だということを、彼も私も感じ取っていたみたいだ。それもまた嬉しかった。

     

     ヤナギよ、お前の人生はアメリカへ行くことによって、どんな色合いを帯びるのだろうか。

     そして、私はこの国にあって、自分の人生にどのような色彩を施していくことができるのだろうか。

     

     変わっていくのか、添加されていくのか。それとも・・・?

     

     ・・・へへ、ちょっとキザっぽくなっちゃったね。こうは言っているけれども、ヤナギはヤナギ。俺は俺。昔の友は今の友、俺とお前の大五郎というわけだよね。また、今日みたいに飲める日が来ることを祈って。

     

     それでは、ばいちゃ☆

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