故郷を二つ持つ男サディ!すまぬ北海道、今日は福岡を応援するッ!
昨日、いつもお世話になっている修羅大の大先輩Dr.オッサーと一緒に日ハム対ホークス戦を観に行った。
試合は札幌ドームで行われる。この日も最寄り駅の福住駅で降りてDr.オッサーと待ち合わせ。福住駅には日ハムの球団歌「ファイターズ賛歌」が延々と流れていた。駅から流れてくる人は誰もが日ハムのユニフォームを着ていた。そりゃそうだ、ここは北海道。札幌ドームは北海道日本ハムファイターズのホームだから。先週、私は札幌ドームで日ハムを応援した。しかしこの日は・・・俺は・・!
福岡ソフトバンクホークスを応援するッ!
え?道産子なのに?と思われる方も多いだろう。確かに私は道産子だ。北海道で生まれ、北海道で育った。だが、私にはもう一つの故郷があった。それは、大学六年間を過ごした修羅の国・福岡だ。濃厚な六年間が私を福岡県民にしたのだ。住民票は確かにもう札幌にあるが、そういう問題ではない。私の根本にある精神の部分では、私は北海道民でありながら、すっかり福岡県民なのだ。「じゃあ、どっちも応援すれば?」という人もいるだろう。だが、それは男のすることではない!
福岡に居たとき、あんなに切望していた札幌の街。そこに帰ってきた今!私は逆に福岡の街が恋しくなっている。ホークスは第二の故郷である福岡と私をつなぐ数少ないチャンネルなのだ。そしてここでホークスを応援しないことは、六年間、連日連夜テレビやラジオを通じてホークスのCMが流れ、ローカル番組は積極的にホークスを取り上げ、シーズンが来ればそれに加えてホークスの特番も増える・・・といった具合にホークスを中心に回る福岡という町で過ごした思い出を裏切ることになってしまうような気がするから・・・なのかもしれない。きっとそれは私だけではなく、Dr.オッサーをはじめとする修羅大の同窓生の先生方はそういった思いを少なからず持っているのだと思う。
さて、かくして先生と一緒にビジター席へ。先週、日ハム席から「ご苦労さん」という気持ちで眺めていた対戦相手球団を応援する人たちが座っていたビジター席に自分が座ることになるとは。
ビジター席に入ると、ホークスのユニフォームやハッピを着た人たちは「お〜」と先生に声をかけた。自由席なのだが、まるで指定席のような感じでお互いがお互いのために席取りをしていたみたい。そしてはじまるお土産交換。ちょっとこのエリアに入っただけで、福岡というか九州独特の連帯感のようなものを感じた。ここがアウェイだからなおのこと強く感じるのかもしれない。
ホーム側の応援で来たときは感じなかったけれど、アウェイ側の視点で見るとすごいプレッシャーだった。
ハリーホークだって蚊帳の外。ファイターズガールズのダンスを茶化すように一緒に踊っていたのは可愛かったけど。
ホームかそうでないかの差は選手紹介から凄い違いだった。日ハムの選手紹介は球場をあげて選手一人ひとりを取り上げて大盛り上がり。それに比べてアウェイ側の選手紹介などは非常にあっさり。しかし、そんなプレッシャーものともせず、盛大に音を鳴らすホークスの私設応援団。応援団の人がリーダーになって、ビジターエリアにいる皆全員が心を合わせてエールを送った。私の後ろにはトランペット隊が配置されていて、頭上すれすれに応援の大旗が舞った。アウェイだからこそ燃えてるんだぜ!・・・ビジターエリアはそんな感じだった。
始球式は里田まいだった。ビジターサイドからも「かわいい」と声があがる。中学生のとき、里田まいのラジオ、毎日聞いていたっけ。アタックヤングとオールナイトニッポンの間をつないでいたんだったよな・・・。あ、リボンナポリンのマスコットキャラクター!リボンナポリン、美味しいんだよなぁ・・・いやいや、いかん!駄目だ駄目だ!この日は福岡に専念せねば!
球場を旋回するミニ飛行船。「お、もしかしてホークス側が飛ばしているのか?すごい!」と感動したのもつかの間。よく見たら「アークス」だった。アークスは北海道で展開しているローカルスーパーチェーンだ。私は「紛らわしい!」と小声でヤジを飛ばした。
Dr.オッサーにビールをご馳走していただいた。美味しいビールを飲みながらホークスを応援した。試合は投手戦でじりじりと進んだ。私は少しずつホークスの応援の作法を熱血ファンの方に耳元で応援歌を歌ってもらったりしながら見様見真似で覚えた。「お兄ちゃん、よう歌えとるね!」とほめてもらったり。「お兄ちゃん、これ食べり」とお土産をもらったり。また、飛び交うヤジの中にも福岡らしさを感じたり。
こちら側がデッドボールを食らえば「謝れこらぁー!」と怒号が飛び交い、あちら側に食らわせてしまえば「球ぶつかって塁出れたんだからお礼言えこらぁー!」とヤジが飛ぶ。私は思わず笑ってしまった。「へいへいへーい!」とおっちゃんたちのダミ声が響く。
応援団のリーダーの方の腕さばきも、応援団マニアの私から見ても、プロというか決して素人のものではなかった。そしてリーダーにしたがって一糸乱れぬ応援を展開するホークスファンたち。私が驚いたのは、ファンの中にはダイエー時代のユニフォームを着ている人・・・は居るだろうとは思っていたけれど、さらにその前の南海時代のユニフォームやハッピを着ている人も結構居たことだ。ホークスはファンの方も年期が入っているんだなぁ・・・と思った。
7回にはDr.オッサーから風船をもらった。膨らまして、皆で「いざゆけ若鷹軍団」を大合唱した後に放った。初風船飛ばし。札幌ドームに黄色の風船が飛び交った。しかし、それに対して日ハム側の青風船。すごい量・・・とちょっと圧倒されてしまった。
試合は残念ながら負けてしまった。日ハムのヒーローインタビューなどは聞かずにDr.オッサーと共にドームを出た。そしてすすきのへ繰り出した。
よく歌い、よく飲む!それは九州で学んだ修羅大の精神だ!ということで、サヨナラ負けした鬱憤を歌って飲んで、力の限り晴らした。夜は深まるほどに楽しかった。私はDr.オッサーと一緒にずっと芋焼酎だった。あんなに苦手だった芋が「美味しい」と口に馴染んだのはいつからだったろうか・・・。
夜はDr.オッサーと空が白むまで飲み明かした。そして、まるっとDr.オッサーに御馳走していただいたのであった。
Dr.オッサー、ホークス戦に誘っていただきありがとうございました。そして、大変ご馳走さまでした。とても濃厚な土曜日を過ごすことができました。今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、ばいちゃ☆