俺はタクランケ!X

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
そちらの地球のお天気はいかがですか?

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2013.06.30 Sunday

夢(私の犯罪)

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    泥のように眠っていた

    眠ろうと思って眠っていたわけではない

    気付いたら、無意識のうちに眠りに落ちていた



    どろどろと淀み切った睡眠に

    本来、さっぱりとした寝起きであるべきはずなのに

    どうも、心の奥底に

    ワインの澱のようなものが溜まっているようで

    どこか鬱積している自分がいた



    理由はわからなかった

    酒を飲んで、不相応にはしゃぎ過ぎると

    反動で気分が落ち込むということなのだろうか

    そうだとしたら、生理現象だから仕方がない

    きっと、脳の中のなんらかの物質が

    分泌されたり、されなかったりしている

    ただそれだけのことなのだろう



    何を考えても悪いことばかり考えてしまう

    そんな一日になりそうだったので

    できるだけ何も考えず…

    椅子に座って、ただただ化石のように

    横になってテレビを見ていた



    眠っては、目をこすり、窓を眺め

    また

    眠っては、目をこすり、テレビを見ていた



    これで、素敵な夢でも見れていたら

    アーティストになれただろうのに

    重いものを背負わされたような

    惰眠を繰り返しては

    身体をじたばたさせて一日が終わった



    ふと、振り返ってみると

    今日すごした一日は

    つげ義春の「ヨシボーの犯罪」のような一日だと思った


    「ヨシボーの犯罪」はつげ義春の

    一連の“夢物”の最後の作品で

    作者の見た夢を題材に描かれたものだ



    不安定な絵を見ていると

    どこか気持ちが安定してくる不思議…



    本を読んでは女を物色して

    ピンセットでつついて

    それを食べるヨシボー



    一日部屋に閉じこもって

    じっとしている

    そんな生産性の無い日も必要だとは思うが

    やりきれない気持ちも

    無いと言えば嘘となる



    私もヨシボーのように

    けたたましくベルを鳴らして

    街を走れば

    すべての呪縛が解き放たれて

    憂いなき、無垢の笑顔を

    浮かべることができるのであろうか


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