やることイッパイアッテナ
「今日、診療大変そうだったわね」
H先生より労いの言葉をかけていただいた。自分で言うのもちょっと気が引けるが、今日はちょっと大変だった。それというのも、学生実習がはじまったことで診療できる日数が制限される。その一方で患者数は増えているわけだから、一日当たりの患者数はどんどんと密になってくるわけである。そういうわけで、今日は結構重い処置が重なっていたのだ。
「さて!」
「今日はこれを固定して、臨界点乾燥にかけるわよ!」
私は「はい!」と返事をした。
「あと、これを測定して・・・」
(技工もして、実習の準備もしなきゃ・・・)
「やることイッパイあるわね!」
そうです、ボク・・・
やることイッパイアッテナ
ここからの文章は
毒蝮三太夫で脳内再生してね!
ボク、大学院生のサディ。2年生になるんだ。
今日はやることがイッパイあって大変。けど、全然嫌じゃないんだ。なんだか忙しい方が安心する。
でも・・・。
夜遅くなってくると、ちょっと眠たくなってくるんだ。
一生懸命に濃度計算をする。時計はもうすぐテッペンを超えそうだ。急げ急げ。
「さあ、これをいれれば色が変わるはずだ。色が変われば、実験は成功だ!」
僕はこれまでの努力が報われると思って、意気揚々とお薬を入れた。通常であれば、数分たつと反応がおこってきて、段々と青色に変わっていくはずだった。
「・・・。」
「変わらない・・・。」
嘘だと思って、もっと待ってみたけれども、色が変わる兆しはまったくなかった。無反応。待っても待っても、無反応だった。
「し、失敗だ!」
外へ出ると雨はすっかりあがっていて月が出ていた。
見上げると涙で月がぐしゃぐしゃになってみえた。
それでは、ばいちゃ☆