刮目せよ?!「札幌の三至宝」!
今、札幌では「札幌国際芸術祭2017」が開催されている。
これがどういう物なのか、調べてもよくわからないので、説明することができないのだが、この芸術祭の一環として北海道秘宝館やレトロスペース坂会館などに関する展示が行われるのだという。ちなみに、この情報は母から。どこからこんな素敵な情報を入手してくるのかと聞けば「ラジオから」とのこと。
レトロスペース坂会館と言えば、言わずと知れば北海道を代表する全国レベルの珍スポットだ。
芸術祭では「別館」と称して、もともとバーだったお店のカウンターに坂館長自らが展示品を並べた空間が公開されるらしい。
さらに、現在は閉鎖となっている北海道秘宝館に関する展示も行われているとのこと。
生憎私が物心つく頃には閉館してしまっていたため入ったことがないのだが、展示されていた蝋人形が修繕されたものが見ることができるのだという。「え、展示されていた蝋人形が見れるの?!」と私は浮足立った。(ただ、それは私の勘違いで、正確には修繕された蝋人形の写真であったということは、前もって書いておきたい)
ちなみに、題名にも書いた「札幌の三至宝」のうち2つは、以上の2つ。残りは「大漁居酒屋てっちゃん」というメンコやプロマイドなどが店内にぎっちり貼り尽くされている居酒屋さんに関する展示。なにやらこの「大漁居酒屋てっちゃん」は札幌でも有名な珍スポットのひとつなのだという。全然知らなかった・・・いや、九州が長かったもんで・・・すみません、まだまだ修行が足りないなぁ。
ということで、会場の北専プラザへ。
すすきの駅から徒歩数分・・・なんだけど、意外と見つからなくってちょっと迷った。あまりにも街に溶け込みすぎていて・・・。
ほら、こんなすすきのらしいいかがわしい看板も沢山出てるテナントビルでまさか芸術祭が行われているだなんて思いもしないじゃない?ちなみに、このJKキャバは既に潰れているらしいのだが、そのキャバクラも芸術祭の展示会場のひとつになっていた。購入した入場券で入ることができたので、それも見てきたけど。店内の内装や掲示物などはそのままになっていて「へぇ、キャバってこんな内装になっているのか」と感心した。芸術祭の展示会場となっている部屋は、それぞれ潰れたスナックやバーをそのまま使っているようだった。てっきり店が開くまで間借りしているのかと思った。
5階でチケットを購入して、地下1階へ。
狭い廊下に、スナックやバーの味のある看板がぶらさがっていたが、そのほとんどがもう営業してないお店。それらの結構なスペースが芸術祭の会場になっていることを考えると、普段はこのフロアは殆ど廃墟状態ってことなのかしら?
しかも潰れた店の看板も現役時代のまま店頭に出されているくらいだから、意外とそういった状態ってことは知られていないんじゃないかしら。気が付かないうちに誰も居なくなっている、言ってみれば隙間ともいえるスペースに滑り込むように、この芸術祭が開催されていると思うと、その発想は非常に芸術的だと思った。
まずはレトロスペース坂会館別館。
写真撮影については、厳しくルールが定められていた。聴くと丁寧にスタッフさんが教えてくれた。ということで、ルールに則って撮った一枚。琴似にある本館同様、規則性のないものが規則的に並べられている。その矛盾に私は心をくすぐられたような心地がした。本当に、隅から隅まで大小さまざまなものが並べられていた。「これは展示品なのか、それともスタッフの置いた傘なのか?もしくはお店が潰れる前から置いてあった台所布巾なのか?」どれが芸術でどれが芸術でないのか、そのボーダーが溶出してしまって定かでは無くなってしまっているような気がした。それが狙い?もしくは邪推?
てっちゃんのブースも覗いて来た。居酒屋そのものは別のテナントビルにあるらしい。いつかはいかないといけない・・・かも。でも、ちょっと勇気がいるかも。
そして、最後に北海道秘宝館のブース。小さなスナックをそのまま利用した空間。カウンターの向こうのブラウン管に、秘宝館の稼働時の映像が延々と流されていた。私は勘違いしていたため「なんだ、蝋人形が展示されているんじゃなかったのか」と少しがっかりしながら、カウンターの椅子に腰をかけた。
在りし日の北海道秘宝館の映像を見ながら、私は学生時代に友人達と行った嬉野秘宝館のことを思いだした。暗闇の中で、ぐるぐると回るベッドの上に男女の蝋人形が交わった状態で横たえられていた。それを「ほー」とわかったようなわからないような声を漏らしながら見ている私たちの頭上には、男性器の形をした龍のような人形が、ガキンガキンとけたたましい金属音を鳴り響かせながら旋回していた・・・。何とも言えない怪しさがあったが、その雰囲気はどうも嬉野特有のものではなくて、展示を見ている限りでは北海道秘宝館でも同様だったようだ。
かくして私は何となく、懐かしい気持ちになりながら、芸術祭の会場を後にしたのであった。
札幌国際芸術祭。この「札幌の三至宝」に関して言えば賛否両論あるようだが、私はそれなりに感じるところがあったし、とても楽しかった。
それでは、ばいちゃ☆