俺はタクランケ!(歯学院生の日常)

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
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2017.05.15 Monday

ならべろ!太郎丸

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     これは、ある歯科学生の、人工歯排列における汗と涙の物語である・・・。

     

     彼の名は太郎丸。彼は某大の歯学部の学生だった。

     

     彼は実習で義歯(入れ歯)を作るために人工歯を並べていた。なかなかうまくいかない彼は、何度も何度も実習書を読んだ。

     

     特に、上顎の排列がうまくいかずに、彼は頭を抱えていた・・・。

     

     実習書にはこう書かれていた。

    「熟達者の排列した上顎臼歯群:飛び立とうとする鷲の肩から翼の形に似て、落ち着いた感じが与えられる」

     

     

     

     太郎丸は悩んだ。

    「飛び立とうとする鷲の肩…」

     

     

     

    「そんなこと言われてもなぁ・・・」

     

     

     

    「そもそも鷲なんて見たことないし・・・」

     

     

    「そうか!」

    「鷹を見て研究すりゃええんじゃ!」

     

     

     

     太郎丸は考えた。なるほど、鷹を見たことが無いなら、実際に見に行って研究すればいいのだ。それでいわゆる熟達者の排列を理解することができるはずなのだ!と。

     

     太郎丸はある鷹匠の家を訪ねた。鷹匠は静かに太郎丸に言い放った。

    「鷹の道は長く険しいぞ」

     

     太郎丸は師匠の元、何日も何日も鷹を観察し続けた。

     太郎丸は来る日も来る日も鷹を観察し続けた。

     

     鷹は警戒心が非常に強く、最初、太郎丸は触ることもできなかった。太郎丸は基本的な動作や道具の手入れだけで3年の月日を費やすことになった。それが長いとは彼は感じなかった。彼はただ直向に鷹と向き合った。

     そしてある日、太郎丸は鷹に触れることを許された。太郎丸は師匠の指導のもと、暗闇の中で鷹とふれあった。時には傷つき、時には傷つけられ。生傷の絶えない日々の中で、鷹は太郎丸に心を開いて行った。

     

     

     

     鷹と心を通わせられるようになるのには一朝一夕の努力では足りなかったが、努力は彼を裏切らなかった!

    太郎丸「松風!」

     

    松風「ばさ!」

     

     彼の愛鷹である松風は、彼の一声で飛び立ち、獲物を捕まえて、また彼の腕に舞い戻ってくるまでになった。太郎丸は師匠からも認められ、日本鷹匠協会に登録して、ついに鷹匠としての人生を歩み始めた。門をたたいてから早十年の月日が経っていた。

     

     私は太郎丸に鷹の魅力を聴いてみた。

    「やっぱり、悠然と飛び立つ瞬間の、そのどっしりと落ち着いた姿・・・ですかね」

     

     

     

     すでに彼の頭の中に人工歯排列のことはなかった。ただ、鷹と心を通わせる日々に、彼は満ち足りたものを感じていたのである。

     

     

     

     これは、ある歯科学生の、歯科医師以外の進路を選んだ者の一例である。

     

     それでは、ばいちゃ☆

     

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