研修フィナーレ!〜名曲「筑後川」にのせて
フィナーレを
フィナーレを
こんなにはっきり予想して・・・。
言わずと知れた合唱組曲「筑後川」の終曲「河口」。これほどまでに、さらなる未来を予感させながら明るくエンディングを歌った曲があるだろうか。こうして静かに聴いていると、なんだか自分自身の研修生活にぴったりのテーマソングのような感じがした。
まさに「いまうまれたばかりの川」のようだった4月の私。免許を取りたての研修医・・・技術はないが、情熱はあった。そんな私は「不屈の決意をした青年」だった。
雪大という新しい環境の中で、ときには「非情のダム」ともいうべき障壁にぶちあたりながら、ときに「どどん どどん」と義歯への「はげしい愛」を充分に燃やしながら、次第に大きくたくましくなっていく筑後川のように研修生活を歩み、様々な失敗や成功、苦悩や感動をのりこえて、今日!ついに・・・!
この「河口」で歌われている「有明の海」は、まさに研修を終えた私がこれから足を踏み入れるであろう世界―「研修医だから」ではもうすまされない、厳しい世界の比喩であるように感じていた。さらに夕陽に照り映える有明海はさらなる外海へとつながっている。私も将来、外海に出て、自分の力で荒れ狂う波をかきわけて漕ぎ出していかなければいけないのだろう、と水の流れに果てなき未来を予感させながら、私の研修生活は筑後川のようにフィナーレを華やかに飾ったのであった。
修了式。
修了証書は無事に授与された。
思えばいろんなことがあった。良かったこと、つらかったこと、大変だったこと、いろんなことが思い出される。一番感動したのはやっぱり総義歯を製作したことだろうか。
患者さんに「よく食べられます」と言ってもらえたとき、本当に嬉しかったな。
苦楽を共にした1補綴の同期とも記念撮影。来年度からはクラッチとおそ松は就職して大学を出る。皆、それぞれの道へ・・・。
色んな雑用や当番を一緒にやったね。朝当番でコーヒーを入れたら水の配分をミスして、PHSで医局に呼び出されて怒られたなんてこともあった。温泉に行ってそれぞれの将来を語り合ってのぼせちゃったこともあったね。
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なんだか遠い昔のことみたいだ。翌日の朝当番がきつかったけれども、本当に楽しかった。
特に、単独型だったコジマくんとクラッチの2人とは、本当にいつも一緒にいたな。コジマくんに技工をやってもらったなんてこともあったし、クラッチと夜遅くまで技工をして向かいの工学部食堂に夕飯を食べに行ったりもしたっけ。
やっぱり一番の思い出は、医局旅行じゃないだろうか。3人で宴会場でコントをやった。特定共同指導の対策で病院全体がピリついていた中で、診療と技工の合間を縫って、夜遅くまで3人でコントの練習を酒を飲みながらやったりしたっけ。医局旅行の忘年会でうけて本当によかったよね。
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悩みを打ち明けることができるだけでなく、喜びを共有することのできる仲間だったから、研修が終わったことは嬉しいけれど、もう一緒に色々と話しながら朝当番をすることがなくなると思うと、それはそれでなんだか寂しい。
この1年間で私はどこまで来ることができたんだろうか。それはわからないけれども、この新天地で様々なつながりや御縁に恵まれて、人と人との結びつきの大切さを身をもって実感し、尊重した一年となったことは間違いない。私は来年度から1補綴の大学院に進学する。きっと新しい出会いもあるだろう。今まで味わったことのないような局面にぶちあたることもあるだろう。この1年間・・・いや、これまで積み上げたものを基盤に、これからも人と人との結びつきを大切にしながら、1つ1つのことを地道に頑張っていきたいと思う。研修は終わったけれど、研鑽の日々は終わらない!
川はうたうさようなら
筑後平野の百万の生活の幸を
祈りながら川は下る
有明の海へ
筑後川 筑後川
そのフィナーレ あゝ!
*この研修期間中にお世話になった皆さん!本当にありがとうございました!来年度からもこんな私ではありますが、何卒よろしくお願いします!歯科医師・如月サディ、有明の海へ突入します!・・・あ、これは比喩表現ね!
それでは、ばいちゃ☆
【参考音源】合唱組曲「筑後川」より「V.河口」
まあ頑張ってね!