SDY6甲
今週末の韓国での学会発表(AAO)、さらには来週末の国際学会(JADR)に向けて、私の実験ならびに発表用のポスター作りは佳境を迎えていた!!
今日は教授とH先生と三人でディスカッションだった。まず教授と相まみえる前に、H先生と。
この一か月近く根を詰めて実験をして、数多のトライ&エラーを繰り返した末に、紡ぎ出したデータを前にH先生と話し合い。そのデータがどういう意味を持ち、全体の中でどういった位置にあるのか・・・。
「このデータをみせるとねぇ・・・教授ならこう言うわよ」
「実際のところ、効果はあるのか!?って」
H先生は心の中に小さな教授を宿していて、常に教授だったら何を言うか、どんな返事をするのかをシミュレートできるのだ。それもかなり高精度で!かつハードモードで!
「厳しく問い詰めてくる・・・ような気がする!」
それはまるでアメトークの「徹子の部屋芸人」で行われていたシミュレーションのようだった。
そんな仮想徹子ならぬ仮想教授とのディスカッションを経て、医局にて本物の教授と共にポスターのチェック。ポスターを教授に広げて、さらに、この1か月の間にトライ&エラーを繰り返しながらひねり出したデータを添えた。
「お!これはなかなかいいデータじゃないか!!」
思いがけず、教授からお褒めの言葉を頂いた。
「で、実際のところ、この結果が効果はあるとかないとか言えるのかという話なんだよな」
私は(あ、シミュレーション通りだ!)と、進研ゼミの付録みたいなことを思った。
「この数値の差が、効果がない範囲での差であれば、目くそ鼻くその話しで・・・」
「!!」
「でっかいハナクソと小さいハナクソの話になっちゃうと仕方がない」
教授は私のデータをハナクソを例えに使ってわかりやすく教えてくださった。目くそはどっかにいってしまった。
「でも、久しぶりに良い話を聴いたな。がんばってな。」
最後に教授から激励の言葉をいただき、韓国行きの準備はついに整った。教授が去った後、H先生とディスカッションの振り返り。今後の研究方針などについて話し合った。
「如月のこの1か月、鼻くそだって!」
先生と私は教授の例えに意表を突かれ、笑ってしまった。
ところで「韓国には俺も行く」と言っていた教授は、「近い日程で別の会議が入ってしまって、行けるかどうか・・・」と韓国行きを随分と迷いはじめているご様子だった。
さらには方々から、出発日の患者の予約は切っているらしい!けど、飛行機は取っていないらしい!もちろん宿も!「迷っている」と言っているらしい!「俺はいけない」と言っているらしい!・・・と様々な情報が舞い込んできた。
そしてついに、ご本人から・・・。
「韓国、俺はいけないから、頑張っていって来てな〜」
と言われるに至った。
ズコー!
以前、韓国行きを命じられていたのに、抄録の教授にお見せした際に「え、お前、韓国行くのか?!」と言われたときから、そんな予感はしていたんだけどね。
かくして韓国遠征はH先生と二人で行くことになった。
韓国への機運を高めるために、私はここんとこ毎日、「江南スタイル」を聴いている。
知ってる南の曲がこれしかないからだ。
H先生からは「PSYファン」と言われるようになってしまったが、PSYの曲もこれと「ジェントルマン」しかしらない。圧倒的に北の方が詳しい。けど、私が行くのは南。仕方がない「江南スタイル」を聴くしかないのだ。
「学会には、こんな韓流美女もいたりしますかね?」
私が無邪気に聴くと、H先生はズバッと
「いません」
と言った。
まってろよ、韓国!
それでは、ばいちゃ☆