俺はタクランケ!X

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
そちらの地球のお天気はいかがですか?

<< April 2018 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

2018.04.17 Tuesday

いとどしく、いとどしき。

0

     最近、ひょんなことから高校時代の先輩としばしばチャットをするようになった。

     それがまた特にこれと言った用事があるわけではないのだが、妙なテーマで大喜利をしてみたり、謎かけをしてみたり。何がきっかけだったのか、それすら覚えていないのだが、楽しい。卒業してから殆ど会ったことのない先輩というところが、またSNSのすごさというか、現代社会の不可思議なところ。まぁ、そういうわけで、最近、そういうことになっている。

     そんな楽しい先輩とのチャットなのだが、話しの流れで、高校時代の懐かしい先生の名前がちらほら・・・。かくして、忘れていた思い出たちが呼び覚まされるなんてことに。

     そういえば昔、さくらももこの読み切り作品で「教えてやるんだありがたく思え」という漫画があった。思い出しついでに、この漫画のことも思い出した。この漫画は、さくらももこが実際に教えてもらっていた個性豊かな先生たちをオムニバス形式で紹介するという作品だった。

     そうだな、この「教えてやるんだありがたく思え」を地で行くようなキャラクターの濃い先生たちが、私と先輩の母校・北国高校には沢山いた。

     

     そうだ。

     あんなに面白い先生を私たちの思い出の中にだけしまっておくというのはもったいない。ということで、今日は、さくらももことまではいかないけれども、先輩とのやりとりの中で思い出したある先生のことについて書きたいと思う。思い出した先生全員を一人ひとり丁寧に書いて行きたい気持ちなのだが、今日はとりあえず一人だけ・・・。

     

     私の世代で、最も有名だった先生は体育のI先生だったろう。

     見た目はそうだなぁ、さっきネットで拾ってきたんだけど、中央学院高校サッカー部監督の浜田先生にちょっと似てるね。

     I先生は坊主で、眼光が鋭かった。背丈はやや小さかったが、体育会系特有の筋肉質な前傾姿勢。有無を言わさぬ、理屈も通らない絶対的な雰囲気があって、一際独特な存在感を放っていた。泣く子も黙る日本体育大出身。けど、どこか憎めなくて優しい、I先生のことが私たちは大好きだった。大好き過ぎて、皆で日体大のことを調べまくったものだ。高校生でエッサッサーを知っていたし、皆でセンターの志望大学欄に「日本体育大学」と書いてみたりしたっけ。

     

     I先生は色んな名言があった。

    「スキーの靴のサイズは気を付けろよ。軟骨とびでっからよ。」

     昔、I先生はスキー靴のサイズを一回り小さいもので我慢して使っていたのだが、あまりにもサイズが合わずに足のどこぞの軟骨が飛び出てしまったことがあるのだという。そういう貴重な経験から、生徒たちを慮っての言葉。私たちはこの話を聴いて「すげぇ根性・・・」と息をのんだものだった。

     

     さらには

    「プールはよぉ、ゴーグルつけろ、ゴーグル。角膜炎になっからよ。」

     由来はほぼ同じようなものだと思う。

     

     だが、私が一番驚いたのは次の言葉だ。

    「プールサイドはよぉ、あぶねぇから、ぜってぇ走んなよ!・・・よーし、体操体形!開け!はしれぇー!!」

     北高生はこうして試されてきたのであった。

     

     I先生は生徒指導部で、全校集会のトリを飾っていた。「最後に、生徒指導部のI先生より・・・」とアナウンスがはいると、全校生徒がざわつき始めた。普通、生徒指導部の先生が登壇すると静かになるものだが、北高ではざわついたのであった。

     「おら、う、うるせぇ!」

     ざわつく生徒指導も北高の風物詩だったのだが、今はどうなっているんだろう。

     

     さて、最後にちょっと思春期っぽい話を。

     こうしてごりごりの体育会系のI先生だったが、どうやら苦手らしいものがあった。それは、保健の授業であった。保健といっても、色んな分野がある。例えば、健康についてとか、応急処置の方法だとか、感染症の予防だとか・・・。

     しかし私が2年生のとき、私のクラスの性教育をI先生がたまたま受け持つことになったのだ。

     私たちは「ごりごりの体育会系のI先生が性教育?」とにやにやしながら席についていた。(悪い学生だ!)

     

     しかし、そんな風に見ていてごめんなさい!とすぐに思い直すことになった。というのも・・・。

     I先生はちょっとどもりがちな先生だったのだが、この日はいつも以上にどもっていた。どうやら性教育らしい単語がくると、ちょっと意識してしまって、いつもよりどもりが強くなってしまうようだったのだ。例えば「精巣」とか「受精卵」とか、そういう言葉がくると、ぴたっと文章が止まった。

     私たちも先生の言葉がとまると、教科書から顔をあげて先生の顔をみる。

     I先生の顔はばつの悪いような、恥ずかしそうな表情であった。そして、どもりながら、一気に読みあげた。しかし、ためて一気に読むもんだから、音量が倍増して、その単語が妙に強調されるような形になってしまうのだった。

     

    「こ、声変わりや、せ・・・・・・性器!の・・・まわりの発毛がおこる」

     

     最初にはにやにやしていた私たちも、そんなI先生の姿を見ていて、なんだか恥ずかしい気持ちになってきてしまうのだった。I先生は教科書を読み上げているだけだったのに。

     

     

     

     I先生、元気かな。

     

     それでは、ばいちゃ☆

    にほんブログ村 病気ブログ 歯科医へ
    にほんブログ村


    ▲top