愛知県歯科医師会館の「歯の博物館」に行ってきたよ(2)明治時代のユニット
この記事は「愛知県歯科医師会館の「歯の博物館」に行ってきたよ(1)戦前のユニット」の続きだよ!
ということで、愛知県歯科医師会館の「歯の博物館」をルポタージュ中である。本当にここは面白かった。規模は小さいながらも展示物は充実していた。例えば、人間以外の頭蓋骨。
「なんで?人間以外の動物の骨なんか関係ないじゃん?」と思う方もいるだろう。けれども、昔の教科書に人間の歯と動物の歯を比較しているページがあるのを見たことがある。
人間以外の歯牙にも目を向けることで、人間の歯牙の特徴が見えたり、種を超えた歯牙の特性なども見えてくるのではないだろうか。私にはまだ見えていないけれども。
また、考古学的な展示もあった。歯牙と人類の歴史を先史時代からさかのぼってくれる。
ただ、この港川人の化石人骨のレプリカひとつ取っても説明書きが、そんじょそこらの博物館と違って非常に歯科学的な分析が詳しく紹介されていた。「咬合関係は、切端咬合で、全歯牙の咬合面に過度なすり減りが認められます。」古代人類の咬合関係についても丁寧に説明してくれるなんて、すごいぞ愛知県歯科医師会!普通の人は古代人骨を見て「どんな咬合関係だったんだ?」とか思わないもん。やっぱりここは素人向けではないようだ。
展示内容は日本史にとどまらず、世界史まで。
西洋ではかつて齲蝕(虫歯)の原因は、歯虫(歯の中にいる虫)だと考えられていたという。これはそのイメージ模型。
結構まがまがしい。それほどまでに、歯の痛みが耐えがたかったということだろうか。こんな虫歯になってしまった歯はどうなるかというと・・・。
抜歯。昔は本当に抜くしかなかったんだろうな。
ここには古代からの抜歯器具の変遷が展示されていた。この一番左にある古代ギリシアで使用されていという「オドンタラ」。もう漫画の歯医者さんが持っている奴じゃないか。歯科医師のイメージというのは古代からあまり変わっていないのかもしれない。けど、これらの道具はどういう風に使ったんだろう。使っているところを見てみたいものだ。
さて、前回の記事で「戦前のユニット」と題して昭和初期の国産ユニット(歯科治療用椅子)の展示を紹介したが、ここには1900年頃に実際に使用されていたというアメリカ製のユニットも展示されていた。これもまた、なかなかに見ごたえがあった。それが、これだ!
「1900年製造、アメリカ、リッター社製」。1900年といえば、日本は明治時代。日露戦争が1904年だから、そのあたりの時代ということだろう。
メーターも良い感じ。
なんのダイヤルかまったくわからないけど、なんだか回してみたくなるような重厚さだ。
ホットエアーシリンジ。ここから温かい空気が出るみたい。
左から、ミラー、豆電球?、電気焼灼器、薬剤散布エアーシリンジ。この豆電球、ちょっと使ってみたい。また、電気焼灼器。現在の電気メスと形状がそっくり。虫歯に正露丸つめて急場を凌いでいたような時代に電気メスがあったなんて、驚きである。そして、薬剤散布エアーシリンジ。いったいどんな薬剤を散布したのだろう。
興味は尽きない・・・。
それでは、ばいちゃ☆(つづく!)