また「二百三高地」をしっかり見た
富良野出張の翌日は、どうしても馬力が続かない。
色々とやらなければいけないことはあるんだけど・・・今日は早く家に帰ることにした。そして、酒でも飲みながら映画でも見ようと。そうだな・・・、私は久しぶりに「二百三高地」を見ることにした。
「二百三高地」は日露戦争における旅順作戦を描いた超大作で3時間にも及ぶ。
私はこの映画が大好きで、小学生の頃から何度も何度も繰り返し見ている。見るたびにぐっとくるポイントが変わるし、見え方もなんだか違ってくるので面白い。
だが、何度見ても一番感動するのは、最後に「ぃやったぞー!」と敵陣の頂に日の丸がはためくシーン。
そこは、やはりグッとくる。
乃木希典の描かれ方が史実とは違っているが、それはそれで。原作表記は無いけれども、おそらく司馬遼太郎の「坂の上の雲」がベースにあることは間違いないだろう。いわゆる司馬史観なのだが、そこに気を付ければ良い。大国ロシアを打ち破った明治日本のカタルシス。君の祖国は日本と呼ばれる。そこにいわゆる日本人としての誇りが呼び覚まされるような気がするのだ。
本作の見どころとしては、あおい輝彦演じる主人公の古賀少尉が「ロシア文学を愛しロシアを敬愛する好青年」だったのに対し、旅順作戦での戦闘を通じ、部下たちの戦死を経て「すべてのロシア人は敵」と憎しみの塊へと変貌してしまうところだろう。その変化率が見どころ。
あくまでそれが「ロシアが敵である」というメッセージではなく、そんな好青年でさえも憎しみの塊へと変貌させてしまう戦争の狂気を描いているという解釈なのだが、有史以来ロシアという存在が日本にとって脅威でなかったことはないので、そこは見る者の教養として踏まえておくべきところだろう。
その変貌の転換点となったのが、敵将の尋問シーン。
きっと彼奴らの根底にはこういう精神が、今もなおあるのではないか?と思ってしまう。
まだ好青年だったときの古賀少尉のセリフも印象的だったので、ここに引用しておきたい。
「世界中どこの国でも悪い国というのはないんや」
それに対して、無邪気な子供が一言。「そなら、どうして露助と戦争するがや?」。古賀少尉は「わからん」と。きっと今のウクライナの人々だって「わからん」と思っているんじゃないだろうか。
いつもよりニュースをこまめに見ている。二百三高地を無償に見たくなったのは、そのせいかもしれない。「氷雪の門」と迷ったけど・・・それはまた今度、あんまり疲れていないときにでも。
それでは、ばいちゃ☆