俺はタクランケ!(歯学院生の日常)

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2018.06.11 Monday

生きることは食べること-「鬼太郎が見た玉砕」を見て-

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     先日、ずっと気になっていたNHKドラマ「鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争〜」を見た。以前、深夜の再放送を断片的に見て、いつかまとめてみなければいけないと思っていたのだ。

     

     このドラマは水木しげるが南方戦線での体験を漫画化した「総員玉砕せよ!」が原作になっていて、香川照之演じる水木しげるが、南方戦線での出来事を回想しながら、苦しみの中で「総員玉砕せよ!」を執筆するという構成になっている。

     漫画も鬼気迫るものがあったが、このドラマを見ることで、そのすごみは一層深みを増していく。

     南方戦線の様子は当時の兵士たちの間で「ジャワの極楽、ビルマの地獄、死んでも帰れぬニューギニア」と決まり文句の様に語られていたという。ジャワは連合軍が上陸してこなかったため極楽のようであり、ビルマ戦線はジャングルが日本兵の死体で埋め尽くされ「白骨街道」と呼ばれたインパール作戦に代表されるように、まさに地獄の様な有様だったのだという。そしてニューギニア戦線は生き延びることはおろか、死んで骨になって帰国することすら叶わない、地獄という表現では間に合わないほどの激しい戦場だったという。

     ニューギニア方面では20万以上の将兵が投入されたが、生きて日本の地を踏む事が出来たのは2万人足らず。10人に一人しか生き残ることが出来なかったという計算になる。

     さて、そんな激戦地の中でも、最前線だったのがニューブリテン島であり、水木しげるはそこの守備隊に配属されていたのである。

    kitarou3.JPG

     「総員玉砕せよ!」で描かれるのは、水木しげるが体験した、激戦地の中の激戦地「ニューブリテン島」で起こったことである。

     水木しげるが所属していたニューブリテン島守備隊(作中ではバイエン守備隊)は玉砕を敢行する。その玉砕の報にラバウル司令部は「士気があがった」と大喜び。しかし、玉砕したはずの部隊に生存者がいることが発覚したのだ。そこに水木しげるもいたのだという。

     「玉砕したと報告してしまった。生存者がいることがわかれば全軍の士気にかかわる。これは敵前逃亡であり、ラバウル全軍の面汚しだ。精神的基盤が崩壊する。」

     ラバウル司令部は生き残り部隊の責任者に自決を強要し、残った兵士たちに再度玉砕を命じるのだった。

     

     ドラマで見て、改めてその異常に恐ろしさを感じた。玉砕とは何なのか。なぜそうまでして執拗に玉砕にこだわるのか。兵士たちは何のために死ぬのか。司令部の将校たちはどうして死なないのか。作戦とは、命とは何なのか。

     「精神的基盤」などといった、あるんだかないんだかわからないような、よくわからないもののために兵士たちが死んでいったのかと思うと、怒りすら覚えた。

     

     しかし、まぁ、それを踏まえた上で、水木しげるの生命力の凄さも感じるところである。

     ドラマでは水木しげるの食事シーンが重要なファクターになっていた。

     戦場での水木しげるは常にお腹を空かせて、食べたいものも満足に食べられずにいたが、執筆中の水木しげるは常に好き勝手に何かを食べてた。この対比が生きるということが何なのかということを直感的に感じさせた。好きな時に好きなものを食べる水木しげるは、これでもかというくらい「生」を謳歌しているように見えた。

     

     とにかくまぁ、水木しげる役の香川照之が、あれもこれも美味しそうに食べるんだ。

    kitarou.JPG

     アイスも。

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     カレーも。

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     シュークリームも。

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     炒飯も。

    kitarou6.JPG

     もうなんでも!

     

     香川照之ほどおいしそうにご飯を食べる役者もいないのかもしれない。以前見た「刑務所の中」でも、香川照之は美味しそうに食べていた。

    【関連記事】映画「刑務所の中」

     

     香川照之の咀嚼には生命の喜びを感じる。うまそうに食べるんだ、本当に。生きてるって感じがする。

     

     このドラマを見ると、戦争というもののむなしさと、平和の尊さを感じながら・・・お腹が減るのであった。

     

     それでは、ばいちゃ☆

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