俺はタクランケ!X

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2024.03.08 Friday

沖縄戦に思いを馳せる・・・嗚呼!(その2:沖縄陸軍病院 南風原壕群20号)

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     先週末に行った沖縄での戦跡めぐりの続きを書いていく。

     

     前回の続き。

    【関連記事】沖縄戦に思いを馳せる・・・嗚呼!(その1:旧海軍司令部壕)

     この日、海軍壕公園から、トンヌ先輩カーで沖縄陸軍病院として使用されたという「南風原壕群20号」へ向かった。

     

     沖縄だというのに、少し肌寒く、雨も降ってきた。

     目的の壕は大きな公園の中にあった。ここで戦争があったのが嘘のような平和な景色。

     「沖縄陸軍病院壕」の案内表示があったので、やっぱり此処で間違いなさそう。正直、あまりにものどかで「ここが?」と疑っていた。

     ハブに注意しながら壕を目指した。

     あった!

     ここは実際に壕の中に入ることが出来て、しかもガイドもつくとのことだった。

     しかし、なんと!事前予約制!

     

     自分のリサーチ不足を嘆いた。

     が、ダメ元で受付の方に聞いてみると「いいですよ〜」と。代表者が名簿にサインするとのことで、どこから来たのかを書く欄に「札幌」と書いたところ「札幌からお越しで」と少し驚かれた。こちらは沖縄ですと、トンヌ先輩のことはそう説明した。

     入壕料は一律300円。

     

     受付の前に座っていたオバちゃんがいて、この人たちもガイドを待っているのかな?と思っていたら、ガイドだった。

     

     最近見つかった、アメリカ軍の艦砲射撃で打ち込まれた砲弾の破片らしい。かなり重くて驚いた。

     促されるままにヘルメットを装着。

     懐中電灯も貸し出された。

     

     ということで、いざ入壕。

     おばちゃんの沖縄弁での解説が小気味よかった。「アメリカさん」と言っていたのが特徴的だった。「沖縄県民30万、日本軍10万、それに対して上陸してきたアメリカさん。アメリカさんは何人ですか?・・・51万ですね」と、改めて聞くと恐ろしい物量の差だと思った。

     

     この壕は風通しがよかったために、蝋燭で灯りをともすことが出来たという。だから病院として使用されたんだとか。

     当時の環境を出来るだけ再現するために、真っ暗なままにしているんだとか。

     

     そう、この戦跡巡りはフィールドワーク。現地に行かないとわからないものを感じるために予定を組んでいる。正直、大学のゼミレベルのことはやっていると思う。勝手にね。

     狭くて暗い。そして、湿度が高い。むわっとしている。コツコツと何度も天井に頭をぶつけた。ヘルメットをかぶっていてよかった。

     壁面が黒いのは、米軍の火炎放射などの跡なのだという。病床につかわれていたベッドの足の焼け残りなどもあった。

     

     こんな狭くて熱気のこもった空間に怪我人がすし詰め状態だったなんて。しかも真っ暗。いつ出られるかもわからない絶望の中で、パニックになった方も少なくなかったようだ。

     懐中電灯のあまりを消して、しばし暗闇の中に身を置いたが・・・確かに、自分でも身動きが取れない状態で此処に担ぎ込まれたら・・・発狂は必至だと思った。

     映画ではよく見るけれども、実際にそうだったところに入ってみると、全然違う。ぐっと追体験の質が高まったような感じがした。

     出口。やっと明るいところに出ることが出来た。空気が美味しかった。

     

     父祖たちが、先の大戦で体験したであろう想像を絶する地獄の苦しみを、ほんの少しだけでも感じることができたのではないかと思った。今はただ、自分たちがそのような目に合うことなく、平和を享受できていることに感謝したい。

     父祖たちの受けた苦しみをただ漠然と過去の物として認識するのではなく、可及的に詳細に調べ、追体験を深めるべくフィールドワークに乗り出しているのは、感謝の一端である。

     そして、客観的な分析を加えた歴史というものに、最後に血を流し込むのは、こういった実際に触れたり感じたりしたものであると私は信じている。

     

     この沖縄陸軍病院壕の閉塞感は、出来れば誰もが静かに体験してほしいものだと思ったし、そのうえで「沖縄決戦」を見て欲しいと思った。

     

     

     

     それでは、ばいちゃ☆

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