俺はタクランケ!(歯学院生の日常)

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
そちらの地球のお天気はいかがですか?

<< August 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>

2017.08.05 Saturday

小学校の課題研究「夏」:私の聞いた終戦の日の話

0

     私が小学生の頃の思い出話をしようと思う。

     小学六年生のとき、夏休みの宿題として課題研究が与えられた。「課題研究」とは、自分の好きなことを自由に調べることのできる「自由研究」と違って、先生からテーマが与えられて、それに関連するものでないといけなかった。このとき課せられたテーマは「夏」だった。

     「夏といえば!」

     皆が、やれ海だ、山だ、昆虫だ、星座だと言っている中、私は・・・

     

    「夏と言えば、終戦でしょ」

     

     ということで、私の夏にまつわる課題研究は「終戦」に決まった。私は夏休みを利用して、町内会のお爺ちゃんお婆ちゃんたちに終戦の日・・・昭和20年8月15日をどのように過ごしていたのかを聴いて回ったのだった。

     

     いざ話を聴いてみると、驚きの連続であった。いつもにこにこしている近所の御婆ちゃんが、戦時中は室蘭に居て艦砲射撃を受けて九死に一生を得ていたり。当時、町内会長だったおじいちゃんからはソ連軍の機銃掃射を受けながら樺太から北海道に命からがら引き揚げてきた話しが出てきたり。

     一番びっくりしたのは、あるお爺ちゃんが元陸軍航空隊の伍長で、九九式双発軽爆撃機(九九双軽)に登場して、九州の基地に居たこと。「もう少し長く戦争が続いていれば沖縄にも飛びました」。いつもにこにこして、庭で美味しそうに煙草を吸っている近所のお爺ちゃんが、まさか軍人さんだったなんて。

    (九九双軽)

     私にとっては初めて耳にする単語の連続だった。

     「かんぽーしゃげき?」「きじゅーそーしゃ?」「きゅうきゅうそうけい?」

     一つ一つを質問しながら、一生懸命にそれぞれの戦争体験を聴き取っていった。

     

     私にとって印象的だったのは、どの方の8月15日も雲一つない晴れ渡るような快晴だったということ。室蘭で艦砲射撃を受けたお婆ちゃんは、その時国鉄の社員で、終戦の放送を聴いてから「機密だから」と書類を一切合財焼却したそうだが、やはり天気は恐ろしく良かったという。

     またあるお婆ちゃんは、あまりにも天気が良く暑かったため、海開きがまだだったけれど海水浴をした思い出があるのだという。北海道で海水浴・・・よほど昭和20年の8月15日はよほど暑かったんだろうか。

     さらには、東条英機が円山球場に来て演説をしたという人もいた。「終戦の日に?」と聞くと「終戦の日!」と言い張っていたが、もしかするといろんな記憶が混在してしまっているのかもしれないと思った。証言を聴くというのは、記憶という曖昧なファクターを内在することを忘れてはいけないと、幼いながらにそう思った。

     

     こうして町内会の方々に戦争体験を聴くことが出来たのは、本当に貴重な体験だった。人に歴史あり。やっぱりそういうお話を聴くと、こちらの見る目もちょっぴり変わってきたりした。

     

     かくして、夏休み明け。皆の小学生らしい課題研究が並ぶなか、大きく「終戦」と書かれた私の小冊子が異様な存在感を放つ結果となった。部屋のどこかにあるはずだから、今度探してみようかしら。

     それでは、ばいちゃ☆

    にほんブログ村 病気ブログ 歯科医へ
    にほんブログ村


    ▲top