俺はタクランケ!(歯学院生の日常)

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
そちらの地球のお天気はいかがですか?

<< April 2017 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

2016.11.08 Tuesday

「ガロと北海道のマンガ家たち展」に行って来て(4)ライブを見て

0

     この記事は、下の記事の続きになっているよ!

     【関連記事】

     「ガロと北海道のマンガ家たち展」に行ってきて(1)ガロと私

     「ガロと北海道のマンガ家たち展」に行ってきて(2)ガロ展を見て

     「ガロと北海道のマンガ家たち展」に行って来て(3)特別映画を見て

     

     ガロ展最終日の夜は「『ガロ』の時代」と銘打たれた鈴木翁二とあがた森魚のジョイントライブ&トークであった。

     18時半開演ということであったが、リハーサルが延長しているようで、なかなか始まらなかった。私達参加者は受付の前で列ともいえないような雰囲気で屯して開演をまった。受付越しに中の会場の様子が見えた。ライブの会場は昼間、特別展示があったスペースで、展示物はすっかり端に寄せられて、そこにステージと座席が設置されていた。ステージでは鈴木翁二とあがた森魚がマイペースにリハーサルをしていた。

     

     そして約30分近く遅れて、文学館の人が「どうぞ〜」と参加者を会場内に招き入れた。会場は薄暗く、怪しい雰囲気を醸し出していた。なんというか、修学旅行の夜・・・というと賑やかすぎるな。みんなが寝静まった後に、うっかり自分だけ目が覚めてしまったような寂しい感じだった。

     私は前から二列目の右端の席を陣取った。ステージの後ろには長井勝一の写真が。長井さんがあがた森魚と鈴木翁二の二人のライブをこっそり後ろから覗き込んでいるみたいで、素敵だと思った。

     

     最初は鈴木翁二とあがた森魚のトークからはじまった。台本なんてまるで無い感じで、あがた森魚がファンに気を使って鈴木翁二に一生懸命インタビューをしていた。二人のガロとの出会いがひとしきり語られたところで、あがた森魚が「まるで入門編のような話ししかしてないんだけど、時間になっちゃった・・・」と照れ臭そうに笑っていた。

     こんな感じで(言葉は悪いけれど)だらだら行くのかな・・・と思っていると、「もう一人、語ってもらいましょう」と、あがた森魚と鈴木翁二がある人物を招きいれた。それは、今回この特別展を企画した小樽文学館の方であった。今にして思えば、この方の話しを聞くことができただけでも、十分お金を払った甲斐があった。

     この方は、ずっとガロの展示をやりたかったのだが、ガロと小樽にはつながりがなかったため企画することができなかったのだという。それでも、どうにかして出来ないかと考え続け、ついに今年、「ちょうど編集者である長井さんの没後20周年」ということで″ガロと北海道のマンガ家たち″と銘打って企画をすることができたのだという。やはり、一念岩をも通すという言葉通り、とにかくやりたい!という理屈抜き情熱が、周囲の人たちを動かして夢を実現させるのだろう。本懐を果たした男の話しというのは、どんな分野であれ面白い。私は「がんばったんだな・・・」と、妙なシンパシーを感じながら話に聞き入ってしまった。

     また、ポスターのイラストを浦河在住の鈴木翁二に頼んだものの、締め切りを全然守ってくれなくて困ったという話には、会場中の参加者が全員笑った。さすがの鈴木翁二もちょっとばつが悪そうだった。

     その話のせいか、休憩がはさまると「これがその絵かぁ・・・」と、この二枚の絵の前に人が集まった。

     

     二人のトークの後は、まず最初に鈴木翁二の時間だった。一曲歌っては「調子が出ない」とか「ギターがいつもと違う」とか「お酒が無いから・・・」とぼそぼそと言い訳をしていた。

     終始、何を言っているのか、何を歌っているのか・・・正直言ってよくわからなかったが、それはそれで面白いと思った。「太陽系・・・マイナス第三惑星アワー・・・」あがた森魚の言っていた「翁二さんの言っている大切なこと」は私にはまだわからなかったが、ニオイくらいは嗅げたのではないだろうか。鼻から人に聞かせる気がない(本人はあるのかもしれないけれど)鈴木翁二ってすごいな・・・というのが率直な感想だ。

     

     続いては、あがた森魚。やっぱりプロのミュージシャンはちょっと一味違った。鈴木翁二に引き続き、どの曲も殆ど知らない曲だったけど、あがた森魚の曲は今でも妙に耳に残っている。「佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど」「いとしの第六惑星」。大きく頷きながら涙を流している人もいた。

     私は、あがた森魚が故郷の留萌を歌った「るるもっぺべいぶるう」に心を打たれた。「なぜ海を渡ってここに来たの」というフレーズに自分でもよくわからなかったが涙が出そうになった。この曲は琴線に触れた。情熱を語る男に並んで故郷を歌う男も素敵だ。

     そして「赤色エレジー」。まさか歌ってくれるとは・・・と勝手に思っていたので、なんだかいい意味で裏切られたような気分になって高揚した。幸子のポスターが一際綺麗に見えた。「赤色エレジー」を歌うあがた森魚が観客席のほうまで歩いて来た。後ろのおっちゃんが楽しそうに口ずさんでいた。

     

     「暗いなぁ・・・どうにかならない?」とあがた森魚というと、暗くなっていたショーケースの中の明かりが一斉についた。そこにはガロがずらりと並んでいて、とてもロマンティックだと思った。あがた森魚が歌の間に差し込む、古い古い思い出話も、よくわからないけれどとても懐かしいような気持ちになった。手前にいるおっちゃんが嬉しそうに頷いていた。

     

     ライブが終わった時、時計の針は既に午後10時を回っていた。なんてボリューム。私は胸いっぱいになりながら、文学館を出た。正直、後ろ髪をひかれる思いだった。あがた森魚と鈴木翁二を囲むささやかなファンをしり目に、寒空の下、小樽駅へ向かった。「今日はいい一日だった」と独り言が白くなった息とともに口からこぼれ出た。雪は雨に変わって街を濡らしていた。

     

     終電に揺られて帰る。あのライブは・・・なんだか夢のような感触だったな、と余韻を噛みしめながら、私は真っ暗な車窓を眺めて帰路についたのであった。

     

     それでは、ばいちゃ☆

     

    にほんブログ村 病気ブログ 歯科医へ
    にほんブログ村


    ▲top