俺はタクランケ!X

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2016.03.13 Sunday

東日本大震災早期復興事業〜早期復興への祈誓〜

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     今日、私は「東日本大震災早期復興祈願祭」にて交声曲「海道東征」を奉納した。

     祈願祭にて交声曲「海道東征」を演奏するに至った経緯についてはこちらを参照していただきたいのだが、「建国神話が歌われた海道東征を歌うことによって日本人が忘れかけていた精神を呼び覚まし被災地に思いを寄せたい」という青年会の皆さんの思いもあり、このたび祈願祭において交声曲「海道東征」の演奏・奉納の機会を与えていただくこととなった。 



     ■第一部「早期復興祈願祭」に出席して
     ■交声曲「海道東征」奉納
     ■打ち上げも神社で!
     ■まとめ(震災復興と海道東征)



    ■第一部「早期復興祈願祭」に出席して

     「東日本大震災早期復興祈願祭」は二部構成になっていた。第一部は「早期復興祈願祭」で、第二部が「交声曲『海道東征』奉納」であった。
     若松市民会館のステージには、祭壇が設置されていた。まず祝詞が奏上され、続いて舞いなどがあった。そして、団体ごとに、代表者が玉串を捧げ、神拝。代表者以外の人は客席に座っていたが、代表者の二礼二拍一礼に合わせて、その団体の全員が起立して神拝した。私は合唱団の代表者として中山先生とともに、ステージの上に居た。

     私は中山先生とともに、玉串を納めた。何かお願いごとや決意などがあれば玉串に込めて捧げてくださいと言われたので、一心に「海道東征の奉納がうまくいきますように」と決意を込めた。私は先生と心をひとつにして神拝。後ろの客席から、合唱団のメンバーが柏手を打つ音が聞こえてきて、なんだか心強くなった。



     青年会の代表の方が「八百万の神々を若松市民会館にお招きして、交声曲『海道東征』を奉納いたします」と言っていたが、それを聴いて、これは普段の演奏とは違って神様に“奉納”するのだ、と私は厳かな気持ちになった。

     第一部の祈願祭。祈りの儀式を終えた私には、普段見慣れたはずの市民会館だったはずだが、空気が澄んで・・・と言うか、なんというか。俗っぽい表現をすると、まるで神社にいるような雰囲気になった。中山先生は「皆で祈りをささげたことによって、会場の心がひとつになって、集中力が高まりました。」と言っていた。

     私は、ここに確かに神様は居る、と思った。



     ・・・ちなみにであるが、舞台に上がる際、舞台袖には移動型の手水舎が設置されていた。神職者の方が舞台にあがる人たちを清めてくださった。私は「こういうケータリングもあるんですね」と先生に言ったが、先生のお耳には届いていないようだった。ケータリングという言葉は不味かったかしらん。



    ■交声曲「海道東征」奉納



     第一部の祈願祭が終わり、被災地の様子をまとめた動画が上映され、ついに第二部。交声曲「海道東征」の奉納の段となった。色々な思いや覚悟はあったが、私個人としては、六年間の集大成、北九州での大学生活最後の演奏ということで、並々ならぬ決意で演奏に臨んだ。



     歌っているとき、普段とは違った感触で、不思議な感覚に見舞われた。声がするすると出てきて、とても気持ちがよかった。

     ソリストとして前に立ったとき、後ろからの合唱の支えが非常に心地よかった。皆の支えを声で感じ、全身全霊で歌うことができた。この奉納演奏は非常に感動的であった。私はこの演奏を生涯忘れることはないだろう。



    ■打ち上げも神社で!

     演奏会の後は、若松恵比寿神社で懇親会だった。さすがは福岡県神道青年会主催の祈願祭だけあって、打ち上げ会場も神社なのか!と感激した。



     懇親会は福島の農協の方や神職者の方、そして合唱団のメンバーで非常に盛り上がった。

     私の座っているところに、どんどんと神職者の方がやってきてくださった。後輩から「如月先輩が神社になったんじゃないかって思いました」と言われた。私は神職者の方々と親交を深めることができた。みなさん、演奏を褒めてくださった。中には「あなたソロされていましたよね?皆で、祝詞とかうまそうだな、と言ってましたよ!」と褒めてくださった方もいた。とても神職者ならではの切り口だと思って面白くなった。

     「私達も合唱の皆さまを見習って、もっと祝詞などを読み上げるときにがんばります」

     「いえ、実は海道東征は、どちらかというと皆さんの発声を目指して練習していたんですよ」

     普段まったく接することのない神職者の方々との会話は全てが新鮮で楽しかった。また、これは演奏に関係の無い話だが、ある神職者の方から「え?遠距離恋愛なんですか?大丈夫!大丈夫!私も遠距離でしたが、なんとかなりました!如月さんもなんとかなりますよ!」と言っていただくことができた。神職者の方に言われると、すごい説得力。ありがたいことだ、と思った。



     また、合唱団の皆さんとの色々な話をした。年度末という忙しい時期に集まってくださりありがとうございます・・・と、皆さんに言ってまわった。合唱団はパンフレットには皆さんのご厚意もあり「九州歯科大学合唱団」と表記されているが、いつもの通り、九州歯科大学合唱団だけではなく、各方面から多くの方に賛助出演していただいていた。しかし皆さんは「あなたのおかげで、海道東征という素晴らしい曲に出会うことができた。本当にありがとう。」と言ってくれた。「御礼を言うのはこっちの方ですよ」。私は感激して涙が出そうになった。

     「もしかすると、もう会うことはないかもしれないね」

     「北海道行ってもがんばれよ!」

     皆さんからもエールを送ってもらった。北九州の皆さんと合唱をすることができて、本当に良かった。私の「この曲をやりたい!」という気持ちが、まさかこのような形で結実するとは夢にも思わなかったが、ここまで来ることができたのは、北九州という街で合唱をしている皆さんの寛大な心と支えがあってのことだと思う。この街で、この曲を演奏することができて本当に良かったと思う。



    ■まとめ(震災復興と海道東征)

     祈願祭という場で、再び交声曲「海道東征」を演奏、しかも今回は神様に“奉納”するということは、非常に貴重な経験であった。私は青年会の方々の趣旨を自分なりに咀嚼して、被災地に思いを馳せた。青年会の方々からお聞きした話によると、被災地の方々は「震災のことをいつまでも忘れないでほしい」という思いが強いのだという。この祈願祭をきっかけにまた私も色々と報道番組や新聞、書籍などに読んだり見たりしたが、自分自身が如何に被災地ならびに被災者の方々に対してこれまで無関心であったかということを痛感させられた。私は反省し、そして、この得難い御縁に感謝した。

     記憶の風化ということに関しては日本神話や交声曲「海道東征」という作品そのものにも言えることで、誇るべき日本神話も、そしてこの芸術作品も、今ではすっかり馴染みのないものになってしまい、乱暴な言い方をすると忘れられてしまっている。しかし、私はこれらの忘れられてしまったものの中にこそ、大切なメッセージが込められているのだと思う。

     こと交声曲「海道東征」に関しては、この作品では、神武東征の神話をモチーフにして曲が描かれているが、神武天皇の高千穂から遠き東の大和の地へ宮を遷すという一大事業が「もろもろの皇子たちや、その皇兄や」と、皆で話し合いを重ねて取り組まれたという様子が描かれている。神話やこの曲に描かれている日本の精神の源流というのは、そういったところではないだろうか。誰か一人が独善的に何かを決めて遂行するのではなく、日本は神代の時代から、皆で話し合い、心を一つにして事にあたってきたのである。

     さて、復興事業という一大事業に向けて、私達は、日本は、皆で心を一つにして事にあたっているだろうか?いまここで交声曲「海道東征」を歌うことで、忘れられていた日本の精神を呼び覚ます、ということは非常に意義深いことなのではないだろうか。そして、私は何ができるだろう?何をすべきなのか?それを考え続けていくことが、とても難しいことだけれど最も大切なことなのではないだろうか。私は今後とも被災地に思いを寄せて祈り、そして考え続けていく覚悟をした。

     ちなみに、私が祈願祭の「誓いの言葉」で述べたスピーチは以上のような内容であった。スピーチの大筋は、キレネン子さんと一緒に考えた内容であるが、祈願祭の後、中山先生から「素晴らしいスピーチでした」と褒めていただくことができ、とてもうれしかった。



     このような演奏の場、そして祈りの場を与えていただいたことに、改めて感謝しきりである。

     

     賛助出演していただた皆さん、このような機会を与えてくださった福岡県神道青年会の皆さん、本当にありがとうございました。



     それでは、ばいちゃ☆


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