俺はタクランケ!(歯学院生の日常)

ハロー、ハロー聞こえますか?
こちら太陽系第三惑星地球・・・。
あなたの世界とちょっとよく似たこっちの世界。
そっちがこっちで、こっちがそっちのパラレルワールド。
平行と交錯、現実と虚構。
ここは、それらの混沌から滴り落ちた、雨粒のようなブログ。
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2018.11.12 Monday

サディの韓国遠征記(1):仁川上陸作戦、漢江の挫折!

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     ついさっき、韓国から帰って来た。

     

     そう、私は11/9〜11/12の4日間、AAO(Asian Academy of Osseointegration)という国際学会に出るべく韓国に行っていた。今日からはその三泊四日の韓国遠征記を書き綴っていきたいと思う。

     

     ということで「サディの韓国遠征記」はじまり、はじまり。

     

     

     

    サディの韓国遠征記(1):仁川上陸作戦、漢江の挫折!

     

     11月9日。私は朝、雪大病院で患者を診てから千歳に向かった。キャリーバッグを引きずりながら国際線ターミナルへ。携帯Wi-Fiをレンタルし、少しのお金をウォンに変えて、アシアナ航空のカウンターを探した。

     アシアナ航空のカウンターはちょっと奥まったところにあった。私が「どこだ?」という顔をしながらキョロキョロしていると、チャイナエアのスタッフさんが「チャイナエアですか?」と聞いて来たので「いえ、アシアナ・・・」と言うと、それを聴いたアシアナ航空のスタッフさんがこちらに駆けてきた。

     

    「アシアナ의 고객은 이쪽입니다.」

     

     どうやらアシアナ航空の受付はこちらだと言ってくれているらしい。アシアナのスタッフさんに連れられて、受付カウンターに。

     

    「여권을 발행하십시오.」

     

     さすがはアシアナ航空。ここが日本と言えども、韓国の航空会社は韓国の航空会社らしく、一貫して韓国語で対応するのだな・・・と妙に感心してしまった。けれども、何を言っているのかわからない。

     

    「패스포트을 발행하십시오.」

     

     かすかに「ペシポト」と聞こえた気がした。もしかして「パスポートのことか?」と思い、恐る恐るパスポートを提示。畏れ多くも天皇陛下の有難き菊の御紋を頂いた日本国のパスポート。

     しかも5年の。

     

    「それでは搭乗手続きをさせていただきますね。」

     

     ・・・ん?

     急に日本語に。

     

     ま、まさか・・・。

    韓国人だと思われていた!?

     

     これは存外ショック。よくみたら、さっきまで韓国語で応対してくれていたスタッフさんの名札をよく見ると、しっかり日本人だった。なんてこったい。

     

     なんやかんやで無事に出国手続きを済ませ、H先生と合流。AAOにはH先生と一緒に行った。H先生とは偶然、隣の隣の席だった。

     

     機内でも、H先生は日本語で話しかけられるのに対して、私は一旦韓国語で話しかけられた。

    「음료는 어느 것이 좋은가요?」「え?」「・・・あ。お飲み物はいかがですか?」

     私が一旦韓国語で話しかけられる度に、H先生は笑っていた。

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     機内食はなんだかよくわからないけれども美味しい奴だった。この韓国での日々の中で「よくわからないけれども美味しい」といったものがしばしば出てくるが、答えを調べる気もないので、目下よくわからないままである。

     

     千歳から仁川までは3時間ほど。飛行機一本で韓国にいける。思ったよりも韓国って近いんだな。

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     お、見えてきたゾ!

     

     かつての皇軍将兵たちは、日清・日露の戦いで仁川から上陸し、ここから数多の勝鬨をあげて大陸に清く美しい大和桜を咲かせたのだ。父祖たちは海から、私は空から。初めての韓国が仁川の地からはじまるというのは、神洲男児としては感慨深いものがある。韓国人に間違えられ続けているけど。

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     仁川国際空港からソウルまでは特急列車が出ていて、H先生と私はまずそれに乗って市街地を目指した。電車に乗りながら、H先生とおしゃべり。普通に日本語でも駅名がアナウンスされるので「全然海外って感じしないね〜」なんて話をしていると、H先生が上を見ながら「うっ」と言葉を詰まらせた。

     どうしたんだろう?と思って、私も目線を上にあげると・・・。

     ん?まさか?

     おお、東海と独島の合わせ技。

     

     国際線ターミナルから首都への直通電車の中で、わざわざこの話を車内広告で出すかね。いや、むしろだからこそ出しているのだろう。韓国は既にファイティングポーズ。先制攻撃を食らってしまった。

    IMG_8949.JPG

     ソウルはマポ。もうすっかり暗くなっていた。先生とは別のホテルだったため、一旦それぞれの宿泊先に向かった。

     

     私はうっかり、というか、よく考えもせずに非常に交通の便が悪く、遠いところにホテルを取ってしまったので、繁華街であるマポからさらに交通機関を乗り継いでいかなければいけなかった。正直、値段しか見ていなかったなぁ、ホテル。

     けれども地図を広げてみると、なんとなく歩いていけるような感じだった。私は思い切って「ちょっと歩いてみようかと思います」と先生に告げた。先生は旅慣れているので、アクセスの良いホテルを取っていた。かくして、H先生に私が歩いてホテルにたどり着くのを待っていただき、その後に合流して夕飯を食べることになった。

     初めて来た土地だ。まずは足を使って、空気を感じなければ。そんでもって、繁華街から歩いていける距離なのであれば、使う交通機関の手間も省けてよい。そうだな、私はイタリアを踏破した男だ。この足をもって、距離を測ってみるか!ということで、宿泊先までの束の間の行軍がはじまった。

     

     しかし、これが大きな間違いだった。束の間の行軍は束の間では終わらなかった。「川を越えて、橋を三つ数えればよい」と甘い見積もりを立てて進軍。だが、まず川で私は絶望した。

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     眼前に広がるは漢江。大きい、大きすぎる。「川をたった一本越えれば」と思っていたが、まさかその川がこの規模だとは。私は行軍に乗り出したことを後悔したが、もう後には引けなかったため、歩を進めた。今ぞ私の忍耐力が試されるときだ、とこのときは思っていた。

    IMG_8958.JPG

     ・・・迷うこと三時間。

     

     H先生からも「大丈夫?生きている?」と生存確認のメールが。最終的には電話もかかってきた。「あなた今、どこにいるの?」という問いに、私は半べそで

    「わかりません」

    と言うしかなかった。

     

     道行く韓国人に道を聞いても、皆ハングルでまくしたててきて、全然助けてくれない。「韓国の人たちは皆優しくて親切」とか書いてあったブログは全部ウソかよ。住所も地図もハングル。飛び交う言葉もハングル。一寸たりとも英語がない。時々、気まぐれに日本語の表示があるけど、たいてい役に立たない。私はハングルの責め苦を受け、一層心細い状態に陥っていた。

     

     だが、H先生はLINEで色々と指示をしてくださり、私はなんとか自分の現在位置を把握することができた。H先生と一緒に来ていてよかったし、Wi-Fiレンタルしておいてよかった。H先生は優しく「とりあえずホテルまで歩くのはあきらめて、最寄りの駅から地下鉄にのって、サムゲタンを食べに行こう」と言ってくださった。

     

     うう、足がちぎれそうだ。この痛み、ローマのときに似ている。いや、違う。ローマのとき、私はローマを踏破し、ローマに勝利したのだ。だが、これは・・・敗北である。父祖たちが勇ましく進んで切り開いていったこの地で、私は道に迷い、歩き散らしたあげくに半べそをかいている。みじめだ。これは無惨な敗北である。私は、私の健脚は、ソウルに負けたのだ。

     

     タクシーを拾おうと思った。路肩に停まっていたタクシーに、片言の英語で乗せてくれと頼んだ。すると、どのタクシー運転手も、

    「실려 아니에요!돌아 줘! 다른 사람을 맞아 주었다!」

    と、ハングルでまくしたててきた。まくしたてた上に、全然乗せてくれなかった。ボディーランゲージもわからない。まくしたて方も感じが悪い。それにしてもこいつら、1秒も英語を使わないな。韓国の方が英語教育が進んでるんじゃなかったのかよ。デマかよ。せめて優しく言えよ。私はイライラした。

     

     憤怒の念と敗北の悔しさと心細さをごった煮にしたような気持ちで、なんとか地下鉄の駅にたどり着いた。私が放浪中にH先生がリサーチしてくださったお店で集合。

     私は三時間前と同じ状態で、キャリーバッグを引きずったままで、H先生と再会した。

     私はH先生を見て安心した。

     

     さて、H先生が選んでくださったお店はこちら。

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     サムゲタン専門店らしい。雪大のワタベことH先生のリサーチにならば間違いない。ただH先生が「ディープすぎる」と言っていたが、確かに、どういうわけかお客は誰もおらず、家族で経営しているようなのだが、息子がスマホを見ながら片手間に接客し、おやじさんがずっとテレビを見ながらせんべいを食べていた。

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     一切、観光客には媚びないぜ!といわんばかりのハングルオンリー。

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     H先生はあまりにも客がいない状況に笑っていた。

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     ネットでは大評判だったというサムゲタン。温かくてとても美味しかった。

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     おっちゃんのセンベイの音が店内に響き渡る。「活気が欲しい・・・」とH先生。

     

     新しいお客か!と思うと、他の家族だったり、搬入業者だったり。「失敗」と断定するH先生に「全然失敗じゃないですよ!サムゲタン美味しいですし!」と私。

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     ほら、先生、サムゲタンには抗癌剤・・・のような効果もあるんですかねぇ?てか、抗癌剤の三文字しか読めない。

     

     H先生にサムゲタンをご馳走していただき、明日に備えて早めに解散した。私は帰り(?)は、さすがに地下鉄を使った。交通の便が悪いとはいえ、H先生の3倍乗り換えをすればいいだけのことなのだ。ホテルは降りた駅のすぐそばだった。本当に最初から地下鉄を使っておけばよかった。なんで歩こうと思ったのだろう。数時間前の自分が憎い。

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     ベッドの上に翌日貼る予定のポスターを寝かせてしわ伸ばし。ポスターと添い寝する男、如月サディ。大学院生の鑑じゃろ?

     

     寝る前にテレビをつけると、日本の映画がやっていた。

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     ハングルの字幕を無視しながら、ついつい見入ってしまった。「ゆれる」という映画らしい。なんだか、普通に邦画を見るなんて・・・日本にいるような錯覚を覚えた。

     

     そうだな、なんか韓国って、日本にいるような感じもあるし、あまりのハングル地獄にイタリアよりも遠い外国にも感じる。なんだか不思議な感覚である。

     

     

     

     といった感じで、韓国遠征の初日の夜は更けていくのであった。

     

     

     

     それでは、ばいちゃ☆

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